アメリカ大統領選挙は何だったのか

2021年1月7日(日本時間1月8日)、アメリカのトランプ大統領がツイッターに動画を流し、事実上の敗北宣言とみられるコメントを発表しました。11月に行われた選挙に多くの不正があったと主張するトランプ陣営は、度重なる不正の証拠を公にしてきましたが、各州の政府も議会も、さらに裁判所も一顧だにせず、最終的にバイデン候補の当選が連邦議会で承認されました。マスメディアの流す情報だけを見ると、あたかもトランプ氏が凶悪な犯罪者のような扱いです。

11月3日の投開票から実に2か月、アメリカのマスメディアはもちろん、日本のマスメディアも、バイデン氏側の不正については一切報道しませんでした。選挙が始まるずっと前から、トランプ氏は「選挙の不正が起こる」と警告していました。そしてSNSやアメリカの一部マスメディアでは、その不正の証拠も公になりました。

しかし、大きな流れは止まることがありませんでした。「不正はあったが、ごく一部だった」というバイデン氏側の主張通り、結局は、「選挙の不正を働いた側のバイデン陣営が勝った」という事実だけが残りました。つまり、アメリカの民主主義は終わった、ということです。

しかし、もう少し歴史を遡って振り返ってみましょう。そもそも、アメリカに本当に民主主義はあったのか?

実は、今回の選挙戦によって、アメリカ国内では、いわゆる「陰謀論」が一般市民の間に広がりました。インターネットの発達によって、おもにYou tubeやFacebookなどで、日本でも盛んに陰謀論がささやかれました。しかし、この陰謀論こそ、戦後ずっと一部で論じられてきた「世界の裏常識」であって、それがトランプ氏の登場によって、にわかに一般市民に広がってきた、というのがまっとうな歴史認識です。

問題なのは、その陰謀をトランプ氏は本当に壊そうとしていたのか? そこに尽きると思います。

陰謀論を唱える人は、トランプ氏やその周囲にいるグループを「救世主」のように考えていたようです。トランプ大統領が再選すれば、世の中の闇が一斉に払われ、幸せな世界がやってくる、というイメージの情報が拡散しました。

しかし、現実にはトランプ氏はホワイトハウスから退くことになります。

この記事を書いているのは、トランプ氏が事実上の敗北宣言をした日ですから、正式に新大統領に交代する1月20日まで、まだ数日の猶予があります。トランプ氏の支持者は、「最後の切り札である戒厳令を発動し、闇を一掃する可能性がある」とSNSで流しているようですが、その可能性はほぼゼロでしょう。年末から新年にかけて、全体の情報を見渡してみて、その気配が感じられませんでした。

現時点で、バイデン政権が新たに発足するのは確実です。そして、そこから何が始まるのか。そこに急いで焦点を合わせる必要があると思います。具体的には、次回以降の記事で書いていこうと思います。その前に、以前にFacebookで投稿した「世界の構図」という記事を再掲して、記録を残しておきます。

実際の国際政治はどんな構図になっているのか、まずはご覧いただこうと思います。

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