賃金労働からスキルや物資の「物々交換」へ

2022年6月支給分から、年金支給額が減額されました。物価がどんどん上がっていくなかで、年金生活者は不安を訴えています。ニュース動画

これまでの社会は、賃金労働をして得た対価(お金)で生活物資を買ったり、家賃を支払ったりしていました。その形が壊れ始めています。しかし、高齢者はもとより、若い世代も「将来の年金額が減るのは不安」というコメントをニュースで話していました。これは、従来の「働いた賃金で生活する」という形に縛られているので、遠からず行き詰まるでしょう。

不安が大きくなるいま、私たち、とりわけ若い世代は、未来をどのように生き抜いていけば良いのか、真剣に考えなくてはいけないと思います。そして、ひとつの考え方として提案しているのは、「物々交換」を中心とした新しい経済です。

物々交換と言っても、実際にモノを直接交換するという話ではありません。生産したモノ、あるいは医療や教育、建築などのサービス(技術)を交換する仕組みに変えていくということです。

このように書くと、「いまだってお金を通してモノやサービスを交換しているではないか」と反論されそうですが、実はまったく違います。なぜなら、日本は第3次産業、とくに実生活に関係ない産業が多くなってしまったため、自分が何の技術を持っているのか分からず、ただ言われるままに労働をしている人が大半だからです。

たとえば──

教師。保護者からクレームをつけられないように、あるいは事故が起きたときに言い訳できるように毎日書類を書くことで忙しく、子供に真摯に向き合う時間がない。

医者。対症療法の薬や手術だけに関心を持ち、効かないと分かっていても儲かる薬を出し続けている。

食品会社従業員。食べると危険なものかどうかも知らず、黙々と与えられた仕事をこなす。

農家。肥料や農薬の危険性を知っていても、必要悪と居直る。あるいは、危険性などないと信じ切って補助金頼りの営農を続ける。

マスメディアの従業員。ウソの情報を流すことに忙しく、高い給料が得られれば庶民の生活がどうなろうと無関心。

こうしたことは、例を挙げればきりがありません。(これらは、お世辞にも”技術”とは呼べないでしょう

まず結論から書くと、「生きていくのに必要なことは何か」を考えること。衣食住で欠かすことのできない仕事は何でしょうか。

厳しい気候から身を守る衣類。安全な食料。雨露をしのげる家。まずはここに関わる技術(スキル)を身に付け、仕事に就くことがもっとも重要でしょう。そして、この分野の技術を身に付けていれば、生き延びることはできます。
※資格と技術は違います。資格を持っていても技術のない人がほとんどです。技術を伴わない資格は、役に立つどころか、人を不幸にします。

これらの技術は、単純な物々交換というわけにはいきませんので、交換を円滑にする「通貨」が必要になります。これは、いま使っている日本円などの法定通貨でも良いのですが、いまは新しいデジタル通貨がたくさんできています。以前は「地域通貨」とも呼ばれていましたが、いま便利になり、誰でも発行できるだけの環境が出来ています。

私たちも新しいコミュニティを作るためにいろいろな準備を進めています。その中で、とくに重要な技術は、安全な食べ物をつくる技術だと考えています。ただ賃金労働してお金を稼ごうとする時代はまもなく終わるでしょう。

いま手元に残っている資金があれば、自己投資をして、食べ物をつくる技術を身に付けるのはどうでしょうか。とくに若い世代にお奨めします。

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