農科学もうひとつの道~完全自然農法

あるメディアから寄稿の依頼を受けました。大変ありがたく、また光栄なことですが、内容については書きたいと思うテーマを私から提案することになり、つまり好きなことを書かせていただくことになり、上記テーマを考えました。とりあえず寄稿文の概要と、11本の記事の個別テーマをまとめて提案し、先ほど了承を得ました。その概要については、大事なことなので、以下に公開します。これは、私の人生をかけて取り組んできた歴史を凝縮したものです。

*****以下*****

現代人は食料生産についてこの100年ほど、化学肥料や農薬を使った農業に頼っている。しかし、肥料や農薬の製造には天然資源(石油、リン鉱石、カリウム鉱石など)に依存するしかなく、永遠に続けられる技術とは言えない。しかも石油由来の農薬が世界中に健康被害をもたらす原因にもなっている。人類はこのまま現在の農業技術に頼っていて良いのだろうか?

一方で、日本には自然農法という、肥料や農薬を必要としない農業技術が提唱されてきた。その研究は、やはりこの100年ほど細々と、個人レベルで進められてきた。そして近年の科学の発展によって、自然の仕組みが深く解明されてきたことで、自然農法の科学的な裏付け、そして実用化が世間に知られるようになってきている。

とくに、最新の研究によれば、ほとんどすべての農作物は、肥料どころか、腐葉土やミネラルなど一切の資材を土の中に入れず、一方的に農作物を収穫し続けるレベルまで技術が向上し、また、その仕組みも解明されつつある。

この完全自然農法の技術は、日本だけでなく、世界中の食糧問題を解決できる可能性を秘めている。しかも、実はそのポテンシャルは単なる農業技術にとどまらず、現代人の病気の克服、環境保護、さらには戦争の撲滅にまで及ぶと考えられる。

なぜなら、自然農法とは、平和で成熟した文化を誇っていた古代日本(縄文時代)の自然観を基にした技術であるからだ。つまり、現代の農業技術は人間が自然を思い通りに制御して食料を生産しようとする。これに対して、完全自然農法は人間が自然の一部として存在し、自然の恵みに感謝する心を持ち、行動することで初めて成功する技術であるからだ。縄文時代の古代日本の民は、自然を敬い、自然と一体化する生活を営んでいた。それが豊かさをもたらした。

いま、完全自然農法の農場に立ち、風の匂いを感じ、恵みの作物を食べるとき、だれもが「この地球に、人間に生まれて良かった」としみじみと喜びを味わうことができる。私たち現代人は、古代日本の先人の知恵を借り、最新科学と融合させて進化する時代を迎えている。

よこうち・たけし 自然農法家・ジャーナリスト 10年以上の全国紙記者経験を経て、まちづくり、福祉、教育分野を訪ね歩き、最後のテーマとして「食と農」の道に入る。肥料と農薬を一切使わない農法で特許取得。自給できる日本、自立した日本の再興を目指して活動を始める。

コメントを残す

コメントを残すにはログインしてください。