情報弱者と情報強者
世界はいよいよ混迷の時代に突入しました。2022年は、コロナパンデミックやウクライナ紛争の情報によって本当に大切な情報が埋もれていました。テレビ、新聞の情報だけを頼りにしている人。あるいはYouTubeやTwitterなど無料で閲覧できる情報で一喜一憂している人。みな情報に振り回されている「情報弱者」に入ります。
「情報」というのは、実は生命を奪ったり、傷つけたりできる恐ろしい武器になります。ほとんどの人は「情報」の収集の仕方、扱い方を知らないため、情報発信する側の策略にまんまとハマっているのが実情です。
単にレクリエーションとしてテレビを見たり、YouTubeを見たりしているなら良いでしょう。しかし、そこに怒りや不安の感情を持った時、あなたは間違いなく「洗脳されている」ことになります。とくに怒りと不安の感情はヒトの免疫機能を大きく傷つけますので、がんをはじめ、脳卒中や心筋梗塞など、重い病気の原因になります。
正義感を表に出して、いわゆる陰謀論をやり玉に挙げたり、警告を発したりというSNS情報などは、百害あって一利なしと言わざるを得ません。このことは、元全国紙記者であった私個人の意見でしかありません。しかし、私以上に「情報の扱い方」に熟練している人は、世の中にそう多くはないと思います。
たとえば、SNSでは「真のジャーナリスト」と称賛されている人が何人かいます。アメリカとかスイス、あるいはさまざまな戦地に赴く人。これらはみな「現地のレポーター」であって、「ジャーナリスト」ではありません。ジャーナリストは、一方的な視点は持っていません。少なくとも2方向、3方向は当たり前で、本当に真実を探ろうとするときは、前後左右に上下も加えて、あらゆる方向から見て、分析し、判断し、そして読者や視聴者に「自分で考えられるよう選択肢を示す」のが役割です。よく、戦場ジャーナリストという言葉も聞かれますが、ジャーナリストなら、現地の様子と俯瞰した世界情勢を加味した情報を私たちに与えてくれます。戦地の様子を伝えるだけなら、ただのレポーターにすぎません。
上記の写真は、ウクライナ紛争が始まり、ロシアのミサイル攻撃によって病院が破壊され、妊婦が助け出されたという画像です。これに日本のテレビ視聴者やYouTube視聴者らが烈火のごとく怒り、ウクライナ支援の大波が起きました。しかし、待ってください。
極寒のなかで完全防備の男性がタンカを担ぎ、いまにも死にそうな妊婦は腹を出して裸同然。明らかにフェイクニュースです。まともな人間が、妊婦に毛布も掛けず運びますか?
こうしたフェイクニュースは、いまや当たり前の情報操作です。そして、少し引いて世界を俯瞰したとき、フェイクニュースではない情報は、おそらく0.1%もありません。なぜそう言えるのか、ここで種明かしをします。
「真実の情報」というのは、ほとんど「続報形式」で流されます。断片的で、まるで暗号のような表現で、ジグソーパズルのピースのようなイメージです。つまり、その断片情報を見たり、聞いたりしただけでは、何の事を指しているのか理解できません。
逆に、流された情報だけで理解でき、感情を波立たせる情報、たとえばウクライナ紛争やコロナ関連の情報がそれにあたります。毎日の感染者の発表などは、一見「続報」のように見えますが、基本的に一話完結で分かりやすく、不安や怒りを招く情報です。
「情報強者」を目指してみませんか?
どうすれば良いかは明白です。断片情報、暗号化された情報、ジグソーパズルのピースであることをまず意識することです。そして、断片情報のスタート地点に遡り、自分の頭の中でピースを組み上げていきます。慣れていない人は、すぐにはできないでしょう。となれば、スタート地点を知っている人に助け船を頼むしかありません。
あなたが本気で「情報強者」になりたければ、道は開けます。無料のSNS情報では弱者のままです。有料であっても「スタート地点」を教えてくれる情報でなければ騙されるだけです。かなりハードルは高いわけですが、本気になれば──。